土壌粒子が陽イオンや粘土鉱物、有機物(腐植)などのはたらきによって結合し、小粒の集合体となったもので、そうした状態を団粒構造という。これに対して、土壌粒子がばらばらの状態にあるものは単粒(単粒構造)という。
作物栽培上では水の中でも壊れない団粒(耐水性団粒)が重要である。団粒構造が発達した土は、団粒内部に微細な団粒内間隙(毛管孔隙)ができ、団粒外部には団粒間間隙(非毛管孔隙)ができるため、保水性と同時に通気性や通水性にもすぐれ、作物の生育に好適な状態になる。
団粒を発達させるためには、有機物の施用や根量・茎葉量の多い作物の導入などが有効だが、とくに根量の多いイネ科牧草は団粒を発達させる大きな効果があり、その場合、生きた根(活性根)も重要なはたらきをしている、という。有機物のなかでは、土の微生物活性を高める分解されやすいものが団粒形成能力が高いとされている。その点では、完熟堆肥よりも未熟堆肥、未熟有機物のほうが有利、という研究者の指摘もある。有機物マルチや土ごと発酵の価値を考えるうえで興味深い。
土壌のエネルギーが高まると団粒構造が安定しやすくなるようです。