肥料から溶け出したリン酸は土壌に速やかに吸収され、作物による利用が妨げられます。このような土壌への吸収を固定といって、リン酸イオンが土壌中のカルシウム、アルミニウム、鉄などのイオンと結合するために起こります(図)。リン酸固定の強さはカルシウム<<<アルミニウム<鉄の順に強く、アルミニウムや鉄と結合したリン酸は、水に溶けにくいいわゆる難溶態に変化し、作物の吸収利用が難しくなります。この固定力は土壌の種類により大きく違い、これを診断する基準としてリン酸吸収係数が用いられています。リン酸吸収係数の高い土壌は、リン酸質資材を投入したり、リン酸の施肥量を増す必要があります。
土壌中には、結構リン酸は多く含まれているんですよ。でも、そのほとんどが、土に強く吸着固定されちゃっている為、植物が吸収しようと思っても吸収できないんですよね。植物が吸収できるのは、土壌中の全部のリン酸の中から、わずか1/5~1/20程度なんだそうです。この部分が有効態リン酸の値として出てくるわけです。
このリン酸を吸着固定してしまう土壌の力をリン酸吸収係数であらわす事ができます。値が大きければ大きいほど、リン酸を吸着固定する力が大きいと言えます。
例えばアルミニウムなどを多く含む火山灰土壌等では、リン吸の値が大きくなります。このような土だと、作物が必要とするリン酸の量の何倍も、施肥しなければならなくなります。
土壌のエネルギーを高めると、土壌に吸着固定していたリン酸を植物が吸収できるようです。それはリン酸吸収係数の値が土壌検査をすると下がります。